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甲状腺

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甲状腺

喉元をおさえる女性

喉の前面に位置する蝶形の内分泌腺で、代謝を調節するホルモンを分泌しています。主に分泌されるのは、チロキシン(T4)とトリヨードサイロニン(T3)というホルモンで、これらは体のエネルギー消費や体温調節、心臓や神経系の働きに重要な役割を果たします。甲状腺の異常には、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)や甲状腺機能低下症(橋本病)があります。甲状腺機能亢進症ではホルモンが過剰に分泌され、体重減少、動悸、発汗、イライラ感などの症状が現れます。逆に、甲状腺機能低下症ではホルモンが不足し、倦怠感、体重増加、寒がりなどが起こります。
甲状腺の異常は、血液検査や超音波検査で診断され、治療は薬物療法や場合によっては手術が行われます。甲状腺の健康を保つことは、全身の健康維持に重要です。甲状腺ホルモンが過剰になったり、不足したりすることで、多彩な症状が出現します。
以下のような症状やお悩みがある方は、お気軽にご相談ください。

甲状腺中毒症(ホルモン過剰)の症状

  • 安静にしているのに、脈が速い、胸がどきどきする
  • 食欲がありよく食べるのに、痩せてきた
  • 手が震える
  • 暑がりになり、よく汗をかく
  • いらいらする、落ち着きがなくなった
  • 下痢をする
  • 疲れやすい、だるい
  • 月経不順
  • 眼球が突出してきた(バセドウ病に特徴的な症状)

甲状腺機能低下症(ホルモン不足)の症状

  • 疲れやすくなってきた
  • 寒がりになってきた
  • 顔や手足がむくむ
  • 食欲がないのに太ってきた
  • 肌が乾燥する
  • 脈が遅くなってきた
  • 声がかれる

甲状腺腫瘍の症状

  • 首(前頸部)がはれてきた
  • 首の圧迫感、違和感がある

甲状腺の病気

バセドウ病

甲状腺ホルモンが上昇する甲状腺中毒症のなかで、最も頻度が高く、20歳〜50歳の女性に発症しやすい疾患です。免疫システムの異常で自分自身に対する抗体が産生され、組織や細胞が攻撃されてしまう疾患を「自己免疫疾患」と言います。バセドウ病も、自己免疫疾患の一つであり、抗TSH受容体抗体(TRAb、TSAb)が産生され甲状腺を刺激し、甲状腺ホルモンが過剰に産生されます。現在でも、その明らかな発症の原因は確定しておりませんが、遺伝的な因子と環境因子が関係していると考えられています。

症状

「甲状腺腫」(甲状腺が腫れる)、「頻脈」、「眼球突出」があり、前の2つの徴候は、バセドウ病の80%以上の方でみられます。その他の症状としては、疲れやすい、手が震える、汗がたくさんでる、体重が減る、いらいらする、下痢などがあります。特殊な病態としては、炭水化物の多い食事の後や運動後などに手足が突然動かなくなる発作(周期性四肢麻痺)があり、アジア人の男性に多いとされています。甲状腺機能が十分に管理されない場合には、「甲状腺クリーゼ」といった、意識障害、発熱、消化器症状、心不全などの症状を伴う重症の疾患を発症することもあり、甲状腺ホルモンを安定させることが大切です。

治療

治療は大きく分けて、薬物療法、アイソトープ治療(放射性ヨウ素内用療法)、手術(甲状腺摘出術)の3つがあります。

  1. 薬物療法

    バセドウ病と診断した際に、すぐに外来で治療開始可能であることもあり、まずは薬物療法で治療開始することが多いです。甲状腺ホルモンの合成を抑える薬として、抗甲状腺薬、ヨウ化カリウムがあります。抗甲状腺薬には、チアマゾール(メルカゾール®︎)とプロピルチオウラシル(チウラジール®︎・プロパジール®︎)があります。その副作用は、かゆみ・皮疹、肝機能異常、無顆粒球症などがあり、投与開始後2週間から3ヶ月に生じやすいことから、原則として2週に1回3ヶ月間は、血液検査および診察を行っていきます。抗甲状腺薬は、投与開始後2〜3週間程度で効果が現れ、その後2〜3ヶ月程度で甲状腺ホルモンが安定してきます。その後は、数年程度で薬を減量でき、主治医と相談して中止を検討できる場合もあります。中止した場合も、寛解状態(薬なしで病状が安定する)が継続せず、再発する可能性もありますので、定期的な経過観察が必要です。抗甲状腺薬を長期内服していても中止できない場合、副作用が出現する場合、早期に寛解を希望される場合には、アイソトープ治療や、手術が検討されます。

  2. アイソトープ治療(放射性ヨウ素内用療法)

    アイソトープ(放射性ヨウ素)治療はヨウ素の放射性同位体を服用することで、甲状腺内に取り込み、甲状腺を壊すことにより甲状腺ホルモンを低下させます。基本的には外来で治療可能ですが、入院が必要な場合もあります。カプセルを1回内服する治療であり、甲状腺に取り込まれた放射性ヨウ素が甲状腺細胞を破壊することで甲状腺ホルモンの産生を低下させます。

  3. 手術

    甲状腺を摘出することで、甲状腺ホルモンが速やかに低下します。甲状腺腫が大きい場合、腫瘍を合併している場合、速やかに寛解状態としたい場合、妊娠を早く希望されている場合などに考慮されます。術後は、甲状腺ホルモン製剤の内服が必須となりますが、抗甲状腺薬と異なり、副作用が少なく、定期的な血液検査の頻度も少なくてすみます。

橋本病

甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンがわずかに足りない潜在性を含めると、人口の約10%程度と高頻度であり、その原因のほとんどが橋本病(慢性甲状腺炎)と言われています。橋本病は、女性に圧倒的多く(男女比=1:20〜30)、年齢としては30~40歳代が多いです。橋本病も自己免疫疾患の中のひとつであり、自己抗体として、抗サイログロブリン抗体(TgAb)、抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(TPOAb)があり血液検査で陽性となります。甲状腺に慢性の炎症が起こるのが橋本病ですが、炎症の状態によって、甲状腺ホルモンは正常の場合もあります。炎症が進行すると、甲状腺ホルモンが低下し、甲状腺機能低下症となります。

症状

甲状腺が大きくなり、腫れます(甲状腺腫)。橋本病の甲状腺腫の場合には、表面がごつごつとして、比較的硬いのが特徴です。炎症が進行して甲状腺ホルモンが不足すると、甲状腺機能低下症の症状が出てきます。その症状としては、だるい、疲れやすい、むくむ、寒がりになる、体重が増える、便秘、声が枯れるなどがあります。

治療

甲状腺ホルモンが低下している場合には、甲状腺ホルモン製剤(チラーヂンS®︎)を内服します。定期的に血液検査で甲状腺ホルモンをチェックして、適切な量となるように調整します。昆布などの摂取によって、甲状腺ホルモンが低下する場合もあり、その際には、食事の指導を行うことがあります。

破壊性甲状腺炎(亜急性甲状腺炎)

破壊性甲状腺炎の中の一つで、甲状腺に痛みや発熱を伴い、甲状腺が破壊されることで甲状腺ホルモンが漏出し、一過性に甲状腺ホルモンが過剰となり、甲状腺中毒症の症状が出現します。男女比は1:3〜6と女性に多く、30〜50歳代に好発します。原因は明らかにされていませんが、風邪の症状のあとに起こることが多く、ウイルス感染が関連しているのではないかと考えられています。血液検査で、炎症反応の上昇や、超音波検査で痛い部分に一致した炎症の所見をみつけることで診断します。治療は、症状が強い場合には、副腎皮質ホルモン投与を行うことで速やかに改善します。ただし、再燃することもあるため、その際には慎重に減量していきます。軽症例では、非ステロイド性抗炎症薬の投与で様子をみます。再発は稀であり、通常は2〜3ヶ月で改善します。

甲状腺腫瘍

甲状腺全体が大きくなった状態を、一般的に甲状腺腫と呼びます。その中で、部分的にしこりのようにはれる場合を「結節性甲状腺腫」といいます。結節性甲状腺腫の中には、良性と悪性が含まれますが甲状腺腫瘍は無症状のことが多いため、頸部のしこりに偶然気付いたり、検診などで指摘されたりする方が増えています。多くは良性腫瘍であり、悪性腫瘍(甲状腺がん)は10%程度と決して多くはありません。悪性腫瘍には、乳頭がん、濾胞がん、低分化がん、髄様がん、未分化がんがあり、乳頭がんが全体の90%以上を占めています。甲状腺に腫瘍が見つかった場合、まず、超音波検査を行い、悪性が疑われれば、精密検査として穿刺吸引細胞診を実施して良悪性を鑑別します。良性腫瘍であれば、原則的には経過観察となります。悪性腫瘍の合併が疑われる場合には、手術を検討していきます。当院では、穿刺吸引細胞診は行っておりませんが、超音波検査による精査、経過観察や専門機関へのご紹介は可能です。

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