
糖尿病や睡眠のお悩みの方
糖尿病や睡眠のお悩みの方
糖尿病の治療に使用される新しいタイプの薬剤で、グルカゴン様ペプチド-1というホルモンを模倣した成分を含んでいます。GLP-1は、食後に分泌され、インスリンの分泌を促進したり、胃の排出速度を遅らせて食欲を抑えたりする役割を果たします。これにより、血糖値の上昇を抑える効果があります。GLP-1製剤は、2型糖尿病患者に特に有効とされ、血糖コントロールを改善するほか、体重減少や心血管疾患の予防にも寄与することが報告されています。注射型が主流であり、1日1回または1週1回の投与が一般的です。この薬剤は、他の経口血糖降下薬やインスリンと併用されることが多く、特に体重増加が気になる患者や心血管疾患のリスクが高い患者に適しています。しかし、使用に際しては副作用(吐き気や下痢など)もあるため、糖尿病や循環器を専門とした医師の指導のもとで使用することが重要です。
糖尿病のインスリン治療は、血糖値を適切にコントロールするための重要な手段です。インスリンは血糖値を下げる働きがあり、特に1型糖尿病や2型糖尿病が進行してインスリン分泌が不十分になると、外部からの補充が必要となります。血糖値が高すぎると、様々な合併症を引き起こす可能性があるため、インスリンを適切に使用することが重要です。
インスリンの投与方法には、注射やインスリンポンプがあり、種類も短時間作用型、長時間作用型、混合型などがあります。患者様の生活スタイルや血糖の変動に合わせて、インスリンの種類や量を調整することが必要です。また、インスリン治療を受ける際は、食事や運動とのバランスを取ることが求められます。インスリン治療は非常に効果的ですが、過剰に投与すると低血糖を引き起こす可能性があります。自己管理や定期的な血糖測定を行い、医師の指導のもとで治療を進めることが大切です。
寝ている間に繰り返し呼吸が止まる疾患です。睡眠中に10秒以上呼吸が停止することを睡眠時無呼吸といい、呼吸が浅くなることを低呼吸といいます。無呼吸や低呼吸が1時間当たり5回以上発生し、後述のような症状が出る状態を睡眠時無呼吸症候群といいます。
睡眠時無呼吸症候群になると、睡眠が浅くなってしまい、日中に強い眠気や倦怠感を感じるようになります。そして、集中力や記憶力の低下、居眠りなどから、日常生活や仕事に支障をきたすこともあります。また、呼吸が停止すると、その度に体は低酸素状態になります。繰り返される低酸素状態は体にとって大きなストレスとなり、心臓をはじめとして体全体にとって重い負担となります。実際に、睡眠時無呼吸症候群は、高血圧症や心臓病、不整脈、脳卒中の可能性を高め、放置していると死亡リスクが高くなることが知られています。
睡眠時無呼吸症候群にはいくつか治療方法があり、症状の程度や原因、重症度に応じて選択します。
CPAP療法は無呼吸を改善させる効果が高く、最もよく行われている治療法です。中等度から重症の無呼吸に行われます。睡眠中に鼻に装着したマスクから空気を送り込み、気道を開存させることができます。睡眠中の無呼吸・いびきを減少させる効果が高いため、熟眠感が得られ、日中の眠気を改善させます。高血圧症を合併している方には血圧を下げる効果も効果が期待できます。
口腔内装置(マウスピース)は主に軽症な睡眠時無呼吸症候群に行われる治療法です。睡眠時にマウスピースを装着し、下あごを前方に出すように固定することで、上気道を広く保ち、無呼吸やいびきの発生を防ぎます。マウスピースは歯科医の指導のもとで作成されます。適切なフィッティングが重要であり、専門の歯科医での調整が必要です。
睡眠障害の一つで、寝付けなかったり良質な睡眠が得られなかったりすることで日中の眠気、倦怠感や集中力低下、意欲や食欲の低下などにつながり、体や心に不調が現れる状態です。就寝から30分〜1時間以上寝付けない「入眠障害」、夜中に何度も目が覚める「中途覚醒」、起床時刻の2時間以上前に目が覚めて再度眠れない「早朝覚醒」、眠りが浅く熟睡したという感覚が得られない「熟眠障害」の4タイプに分かれます。約5人に1人が不眠症で悩んでいるといわれる、まさに国民病です。女性に比較的多く発症し、加齢とともに生じやすいのが特徴です。原因は神経質な性格、ストレスや不規則な生活、薬の副作用や嗜好品の影響など多岐にわたります。気管支喘息による低酸素化が原因だったり、心不全や糖尿病などによる頻尿が原因となる場合もあり、診断に注意が必要です。また、うつ病などの精神疾患が原因の場合もあります。生活習慣を整えても改善されない場合は、気軽にご相談ください。生活習慣や環境の改善を行っても効果が出ない場合は、睡眠薬による薬物療法を行います。睡眠薬は服用を始めると手放せなくなるのでは、量が増えるのでは、副作用が心配、という印象を抱く方も多いですが、現在の睡眠薬は副作用も少なく自然に近い眠りへと導きます。
昼夜のサイクルと、体内時計のリズムがずれてしまっているために、夜から朝という一般的な睡眠時間帯に眠ることができず、日中の社会活動に影響をきたしてしまう睡眠障害です。一般的な夜更かしから夜勤などのシフト制労働、時差ぼけなど様々なことが原因となります。治療には根本的な生活リズム改善が大前提ですが、効果不十分な場合にはメラトニン受容体作動薬を中心に、必要に応じて睡眠薬やビタミンB12などの薬剤を用います。
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